クロモリロードバイクのレストア〜分解開始①〜
それでは早速今回からレストアを開始していきます‼️
前回で今の状態を見て頂きましたが、中々やりごたえのある素材です。
個人的には分解の工程も好きなので、分解工程を何回かに分けて詳しく見ていきながら進めて行きますので、宜しくお願いします。
それでは始めます‼️
最初は邪魔になるペダルから外します。
栄輪業製のフラットペダルです。
時代を感じます。
外すのに使う工具はシマノ製レンチ。
長くて力が入るので使いやすいです。
ネジは右が正ネジ、左は逆ネジこれは間違わないようにしないといけません。
難なく外れました。
これは多分使わないので保管だけしておきます。
チェーンを切りますが、このチェーン5速用で今のナローチェーンよりかなり幅があります。
使えるか分かりませんが、手持ちのチェーンカッターで試してみます。
アストロの物で11速まで対応しています。
取り付けるとこうなります。
チェーンのコマが大きくてカッターの突起部分に入りきりません。
ただし、全く入らないわけでは無いので少し無理矢理になりますが、押し込んで入れました。
これで切れました。
チェーンは錆が酷いので代替えが必要になりそうです。
5速用なんて今流通してるのかな?
次はクランクです。
これまた栄輪業製のクランクです。
昔ながらのアルミ5アーム‼️
クロモリにはよく似合います。
まずはキャップが有ったので十円玉等で外してボルト頭が見えるようにします。
ボルトはコッターレス抜きのソケットになっている頭とモンキーを使って外します。
少々力を使いますが、固着はしてませんでした。
クランクとシャフトは同じくコッターレス抜きとモンキーを使って抜きます。
抜けました。
案の定、汚れが溜まりまくってます。
反対のクランクに進もうとしたところ
んっ⁉️
キャップが無い…。
しかもなんかフレームとの隙間大きいし…。
と言うことで調べたところナットが緩んでクランクがガタガタになってました。
どうやらダメージは無いようなので使用に差し支えはなさそうです。
今回はBBの取り外しまでやりましょう。
このBBは何の規格かが分からないのですが、BB幅が68だったのでJISかイタリアンどちらかです。
JISとイタリアンではネジ方向が違いますが、こちら側はどちらも正ネジなので次の事は外しながら考えることにします。
使う工具はこのフックレンチとスナップリングプライヤーです。
このレンチは一つ爪と違いしっかり掛かるのでネジを痛め辛くてとても良い工具です。
カップに空いた穴にプライヤーを引っ掛けて回り止めにして緩めます。
難なく外れました。
カップを引き抜くと防水シールが一緒に出てきました。
カップにはグリスが残っており悪くない状態です。
シャフトも抜いてしまいます。
後はギヤ側のカップのみです。
カップを綺麗にして表面を見ると
「1.37✖️24T」と記載されており、これはJISを表す表記ですので、ギヤ側は逆ネジになります。
そうと分かれば後はモンキーレンチで2面面取り部を挟んで緩めるだけです。
少し手応えを感じながらではありますが、緩みました。
これでBB回りの分解は完了。
シャフトには僅かに虫食いがありますが、代替えシャフトも手に入らないでこのまま使う事にします。
分解はまだまだ続きますので、お付き合いを。
クロモリロードバイクのレストア 〜次のレストア素材〜
新章始動‼️
と言う程でもありませんが、前々からやりたかったクロモリロードバイクのレストア🚲を始めます。
良い感じにくたびれた素材が手に入ったので今回から紹介していきます。
今回のコンセプトは今までのレストアと同じで”使える物は使う”はこれまで通りですが、
原則予算制限無し‼️時間制限無し‼️
にてフレーム塗り替え、ホイールの組み直しとこれまでの経験を生かした文字通り、自分色の全く別の自転車にする所までやります。
何はともあれまずは現在の状態を見て貰いましょう。
全体シルエットはこうなっています。
遠目に見てもくたびれているのが、よく分かります。
フロント周りは不自然にアップポジションになっていますが、これは最初からです。
パーテープは朽ちて無くなりかけています。
ハンドルバーは今は亡き栄輪業製
コッターレスステムも栄輪業製のSRと言うグレード
ブレーキレバーはシマノ製ですが、グレードはよく分かりません。
そして右レバーには転んだのか深い傷が付いてます。
ブレーキキャリパーはシマノ製のセンタープルブレーキ。
初めて見ましたが、中々趣のある作りをしています。
そのまま下に目を向けると酷く朽ちたタイヤがあります。
タイヤは焼けたチーズの様な色をしていて所々膨れがあります。
リムには無数の傷が有り再使用出来るか微妙なところです。
ハブはシマノ製のラージハブ。
グレードは分かりません。
リムは英式バルブを使っている36h。
スポークが凄い錆びてます。
シフトレバーはシマノ製のバンド留め式ダブルレバー。
これもグレードはわかりません。
クランクは栄輪業製。
グレードはSR。
フラットペダルも栄輪業製。
グレードはSR。
これまたグレードがよく分かりません。
リヤ周りもシマノのラージハブ。
ギヤは今は亡き5段式のボスフリー。
ギヤの歯の形状が時代を感じます。
チェーンの再生はちょっと厳しそうな感じです。
最後にこの自転車の最大の魅力であるフレーム。
これが良くてこの自転車をレストアする事にしました。
ポイントはズバリ ” ラグ ” ‼️
高いクロモリフレームに比べたら綺麗な作りとは言えませんが、レストア素材としては十分な造形美をしてます。
かなり気合を入れてやって行きますので、次回からをお楽しみに‼️
チューブラータイヤの張り方
完成したホイールへのチューブラータイヤの張り方をご紹介します。
使うタイヤは硬いのと軽量で有名なTufoのS3 Liteの21mmになります。
公称重量215gと軽量です。
最初にまずは仮ハメが出来るかを確認した方が良いと思います。
今回のは初期状態では硬くて入りませんでした。
ムムっ!
噂通りの硬さのようです…。
という事でゴムを伸ばすために使用空気圧程度まで空気を入れて一晩寝かします。
これで結構ゴムが伸びます。
空気入れると綺麗な円に自力でなります。
因みに空気を入れた状態では入れていない状態よりも小さくなります。
こんな感じに。
という事はリムの溝に押し付ける様になるのでよりリムから外れ難い状態になるということになります。
そして一晩置いたタイヤでサイドトライ!!
左と
右を親指で少しずつ押し込んで行くと
前後輪とも入りました。
このまま使うと大変な事になるのでここは一度リムからタイヤを外してリムとタイヤを接着する工程に進みます。
今回は速乾性のリムセメントを使います。
リム側の下準備としては接着面の脱脂です。
ここからは振れ取り台に乗せて作業します。
拭くと意外に黒いのがくっついてきます。
ただし、カーボンの場合は樹脂が痛むので余りやり過ぎは良くないです。
程々付かなくなったらOKとして良いと思います。
いよいよリムにセメントを塗りますが、下にはセメントが垂れても良い様に新聞紙を引くことをお勧めします。
準備したリムセメントはハケ付きの物なのでハケにセメントをつけていきます。
つけ方は缶の中にハケを突っ込み水飴を取る様にクルクル回すと綺麗に取れます。
この時缶の淵にセメントを付けたまま蓋をすると開かなくなるので終わった後にはちゃんと拭きましょう。
後はリムに満遍なく厚めに塗ります。
最初はタイヤがよりしっかり張り付く様にベッドを作ってやります。
必ず必要な作業ではありませんが、やっておいた方が良いです。
ベッドは2回重ね塗りを目安にして一晩置いて完全乾かしたらOKです。
このリムセメントは張ってから数時間で実用強度に達するようですが、メーカー推奨は24時間なのでここは急がない方が良いと思います。
で、早速垂らしました。
新聞紙を引いて置いて良かったです💦
一晩置いて再度セメントを塗りました。
ここからは時間勝負で出来るだけ早くタイヤを張ります。
仮組と同じ要領で張れました。
仕上げにバルブの曲がりと
タイヤの横ブレをとって一晩置けば完成です。
横ブレはタイヤの両サイドを指で挟んで持ち上げるようにして移動するとやり易いです。
Tufoは真円が高いとの話でしたが、その通りで余り振れ取りの必要が有りませんでした。
この時リムからセメントがはみ出たりしてますが、慌てず少しず 乾いてから擦ると取れます。
仕上げに脱脂すれば完璧です。
これで完成です‼️
最後にタイヤを張った状態で体重測定。
フロント。
リヤ。
前後合わせても1,500g代とかなり軽量に仕上がりました。
ちょっと時間は掛かりますが、そんなに難しくないと思いますので、是非ロード乗りなら一度はチューブラーに挑戦を‼️
ホイールのステンレス結線ハンダのやり方
どうしてもスポークの張りが甘くなってしまう反フリー側をカチッっと‼️
させる為に結線をします。
長く使う為にもスチールでは無くステンレスハンダを使ったやり方を紹介します。
まず用意するのはハンダゴテとハンダとステンレスの線材です。
細い線材は100円ショップでと売ってます。
私は100円ショップで0.28mmの1番細い線材を買っています。
そしてハンダを線材の隙間に流す為のフラックス。
早速線材を巻きました。
巻き方は色々ありますが、1番美しく強度を確保出来る巻き方はこれでした。
ここでは詳しく説明しませんが、大切なのは「縦巻き・横巻き・リム側」がキーワードです。
もし詳しく知りたい人が居れば紹介しますが…。
巻き終わったらハンダを流す準備。
脱脂をした後にフラックスを一滴垂らします。
強酸なので使い過ぎ注意です。
垂れても良いように下には何か敷きましょう。
フローリングに垂れたら😭泣きます。
ハンダゴテは予め温めておいて素早くハンダを流せば完了です。
表も裏もしっかりハンダが回っているのを確認出来ればOKです。
ハンダを当ててるときには熱で蒸発したフラックスのガスが出ますので、換気と目に入らないように気を付けて下さい。
マスクをする位でも良いと思います。
ハンダの後は線材のヒゲが出てますが、まだ切らないで下さい。
ここで切るとニッパーなフラックスが付いて錆びます。
先にしっかりと中性洗剤とブラシで擦りタップリな水で流します。
ここはしつこいくらい流した方が良いです。
ここでフラックスが残っていると後で錆びてきて悲しい思いをします。
私は以前悲しい思いをしています(涙
最後の仕上げはヒゲをカットします。
カットするにはニッパーを使いますが、
出るだけ刃先に段がないものがオススメです。
こう言うニッパーを使えば突起が無くヒゲが切れます。
しっかりとハンダが回って仕事をしてくれています。
出来上がりを見てみると良くハンダが回っているのでが分かります。
手でスポークをニギニギしても結線有る無しでは大違いです。
どうでしょうか?
お役にたてたでしょうか?
それではまた‼️
LWC製カーボンチューブラーリムで決戦用ホイールを手組みする
前回はリムの紹介をしました。
今回はその他の使うパーツから組み立てまでを紹介します。
まずはスポークとハブ類の紹介。
準備したのは
ハブ:Tniエボリューションライトハブ フロント24h、リア28h
スポーク:DT コンペティション、サピムCX-RAY(リアハンフリー側用)
そして早速組みました。
フロントはラジアル組なので組み方は以前ご紹介した通りです。
まだスポークを張ってないのでたわんでます。
スポークは外から内に通して全面投影面積を減らしています。
リアはフリー側4本組、反フリー側6本組にしています。
反フリー側だけにはサピムCX-RAYを使っています。
かなりスポークがたわんで花びらのようになって一種の芸術作品のように見えます。
上から見るとこんな感じでダルンダルンです。
ここからニップルを回してスポークを張っていきます。
が..........。
いつまで経ってもスポークが張る気配がありません......。
おかしいと思い長さを再計算してみた所。
リアのスポークが全て4mm程長い事に気付きました…。
という事で気を取り直して
スポークカット!!
ワイヤーカッターで案外切れます。
PWTの安物でしたが、歯の欠けも無く問題無く使えました。
先端部分はバリになっているのでヤスリで整えます。
このままだとネジ部が足りないので、HOZANのスポークねじ切り器で必要な長さのねじを切ります。
これで必要な長さのスポークが出来ました。
これを全てのスポークで繰り返します。
今度はちゃんと組めました。
反コンペヨンロクを組み。
このホイールは硬く作りたいので反フリー側を結線します。
結線はまた次回ご紹介したいと思います。
LWC製カーボンチューブラーリムで決戦用ホイールを手組みする
長い題名になりましたが、題名の通り決戦用ホイールを手組みします。
使うリムはLWC製カーボンチューブラーリムです。
リムハイト24mmでLWCのラインナップとしては最軽量モデルになります。
これを使えば前後セットで1000g切りのホイールが組む事が出来ます。
ですが、今回は全体重量よりも硬くて外周重量が軽いホイールを目指しているので最終重量は余り気にしていません。
それでは詳しく見ていきましょう。
まずは全体写真。
これだけだとよく分かりませんのが
ホール数はリア28h,フロント24hにています。
リムハイトが低いのでスポーク本数をふやして剛性を稼ぐ考えです。
多少の重量増にはなりますが、外周重量が圧倒的に軽いので大した問題ではありません。
よく見るとドライブサイドの指定があります(という事は…)。
各部の作りを詳しく見ていきます。
全体的に作りはしっかりしていて綺麗です。
バルブホール付近もしっかり成形されています。
成型時の風船を抜く穴の跡がありますが、綺麗に蓋をされていて強度的には不安がなさそうな印象です。
ブレーキ面は編み方を変えて強度を確保しているのでしょうか?
段付き等も無く全体的に綺麗です。
軽量リムの場合ニップルホールの肉厚が薄くて強度的に心配になりますが、これは結構な厚みがあって不安無く組めそうです。
ノギスで目見当にはなりますが、簡単に測ると3mm位の肉厚はあります。
実際、LWCに問い合わせたところリムの限界スポークテンションは3000N-mとの事なので本当なら首折れスポークではまずリムを食い破る事は無いということになります。
穴振りが無いと事前に聞いていましたが、よくよく見るとセンターから穴が少し寄っているように見えます。
逆面に行ってバルブホールを基準に見るとニップルホールが少し左に寄っているのが、分かるでしょうか?
そう、これはオフセットしてます。
なので最初の写真にあった
オフセットと言ってもせいぜい2mm程度ですのでどこまでスポークテンションの左右差に効くかはわかりません。
恐らく「してないよりはマシ!!」のレベルだと思います。
という事でリムの外見としては中々優秀な印象のLWCカーボンリム。
最後に気になる重量測定をして次回以降から組んでいきます。
メーカー公称は260±10gです。
こちらが結果!!
28hは252g!!
24hは258g!!
いずれもメーカー公称よりも軽い方向に振れてます。
組むのがお楽しみです😁
それではまた。
クロスバイク リアホイールの手組みの仕方
前回でハブの135mm化が完了しましたので、今回はホイールを組んでいきます。
ホイール組に合わせてスポークは星の#14/15バテッドと赤のアルミニップルを新しく準備しています。
組数は完組ホイールに多いフリー側6本組、反フリー側ラジアル組(0本)の元々の組み方にします。
ご存知の方も多いと思いますが、所謂”ロクゼロ組”です。
クロスバイクの用途はロングライドが主になるのでガチガチにする必要も無いのでそのままとします。
早速組んで行きます。
最初にフリー側にスポークを通していきます。
一つ穴飛ばしで写真の様に入れます。
ひっくり返して反フリー側とフリー側の残りの穴にスポークを通します。
この時最初に通したスポークをネジネジでまとめておくと作業がやり易いです。
これでスポークが全て通りました。
横から見るとこんな感じです。
ここからが本番。
フリー側は6本組なのでスポークを編んでいきます。
編み方はフリーを手前側に持ってきた状態で手前側に出ているスポークを1本取り、そこから後ろに5本左に戻った所のスポーク(奥側に通してあるスポークになります)を取ります。
この2本を写真のように右のスポークを左のスポークの下を通すように編みます。
これをニップル穴に通しますが、リムには穴振りがある物が有りますので、確認してから通します。
このリムには有りますので、通すスポーク側に穴振りがされている穴に通します。
一つ穴飛ばしで通してニップルで仮止めしておきます。
この時右のスポークの横にバルブ穴が来るようにすると最終的に組んだ時にスポーク感覚が広い所がバルブに来るようになり、空気を入れ易いのでオススメです。
今の要領をフリー側で繰り返します。
半周ほどは無理なく組めると思いますが、途中からスポークがニップル穴から飛び出なくなってニップルが通せなくなります。
そこでオススメの組み方を御紹介。
まず、スポークを1本を準備します。
ニップルにネジが合うものなら何でも良いです。
そのスポークに通常とは反対にニップルを取り付け、写真の様にニップルホールに通します。
後は組むスポークを持って来てニップルを取り付けたら外側の不要なスポークを外せば完了です。
ニップルドライバーと言う専用工具も出ていますが、意外に高いのでこの方法がお金が掛からずオススメです。
これでフリー側が仮組出来ました。
続いて反フリー側です。
こちらはラジアル組なので編む必要が無いので1番近い穴にスポークを通すだけです。
組めました。
まだ仮組なのでここからテンションを上げいきます。
ここからは振れ取り台での作業。
コツはフリー側を完成時の9割程度のスポークテンションで張るところまで仕上げることです。
この時縦振れを取ることを意識して下さい。
張るところこんな感じ。
フリー側にかなり寄ってます。
ここから反フリー側のスポークテンションを上げて振れ取りとセンター出しをしたら完成。
ハブに5mmのスペーサーをかましているのでその分フリー側に張れるのでキッチリ目に出来ました。
おっと、最後にニップルに緩み止め剤を忘れないでください。
時間は掛かると思いますが、意外と簡単なので 是非トライしてみてください。